波木星龍『実際手相鑑定密議』
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手相の入門書を卒業し、さらに深く、生身の人間を前にした「鑑定」という現場の技術を学びたい——。そんな切実な願いを持つ学習者にとって、本書『実際手相鑑定密議』はまさに待望の一冊と言えるだろう。現代日本を代表する占術家の一人、波木星龍氏が、その長年の鑑定経験から導き出した極めて実践的なノウハウと、手相家としての心構えを惜しげもなく開示した本書は、単なる線の解説書とは一線を画す、プロフェッショナルへの指南書である。
「密議」の先に明かされる鑑定の神髄
本書のタイトルにある「密議」という言葉が、その内容を的確に物語っている。これは、一般的な教科書に書かれているような建前の知識ではない。実際の鑑定の場で、相談者の心を掴み、的確な助言を与えるために、手相家が舞台裏で何を考え、どのように線を読み解き、言葉を紡いでいるのか。その生々しい思考プロセスと技術の「秘密会議」に、読者は参加することを許されるのだ。
波木氏は、手相は単なる吉凶を告げるための道具ではなく、相談者の悩みを受け止め、その人がより良い人生を歩むための「カウンセリングツール」であるべきだと説く。そのため、本書では線の意味を解説するだけでなく、以下のような極めて実践的なテーマに多くのページが割かれている。
- 相談者の主訴の見抜き方: 相手が本当に知りたいことは何か、どの線から優先的に読み解くべきか。
- 矛盾する線の統合的解釈: 幸運の相と不運の相が同時に出ている場合、それをどう解釈し、伝えるか。
- 言葉の選び方と伝え方: 厳しい結果をどうオブラートに包むか、希望を持たせるための表現法とは。
- 時期の特定法(流年法): 結婚、転職、独立といった人生の転機がいつ訪れるのかを、より精密に読み解く高等技術。
プロが使う「裏ワザ」と占術家としての矜持
本書の魅力は、単なる技術論に留まらない点にある。波木氏が自身の経験から語る「手相家の心得」は、占術を志す者にとって金言の連続だ。相談者への深い敬意、鑑定結果に一喜一憂させないための配慮、そして何よりも、占術家としての倫理観と矜持を持つことの重要性を繰り返し説く。
「この線があるからあなたはダメだ」と突き放すのではなく、「この線はこういう課題を示しているが、こちらの才能の線を活かせば乗り越えられる」と、常に解決策と希望を提示する。その姿勢は、手相鑑定が人の人生に深く関わる責任ある仕事であることを、読者に改めて認識させてくれるだろう。
中級者からプロを目指す、すべての人へ
『実際手相鑑定密議』は、手相の基本的な知識(主要な線の名前や意味)をすでに習得した中級者以上を対象としている。もしあなたが、
- 友人や家族を占う際に、もっと的確なアドバイスがしたいと感じている人
- プロの鑑定家として独立することを考えている人
- 他の入門書では物足りなくなり、より深い知識を求めている人
であるならば、本書はあなたの鑑定技術を飛躍的に向上させる、最高の「密議書」となるに違いない。線の意味を「知っている」段階から、それを駆使して人を導く「使える」段階へと引き上げてくれる、稀有な一冊である。
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