『究極の手相占い』安達駿

安達駿『究極の手相占い』

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これは、単なる一冊の手相の解説書ではない。戦後の混沌から昭和の終わりまで、京都・本能寺の門前に半世紀以上も座り続け、人々の人生の底辺を照らし続けた伝説の占い師、三輪祐嗣。彼がその生涯をかけて掴み取った「運命の法則」と、その叡智を継承した著者・安達駿氏との邂逅が織りなす、壮大な物語である。


 

ある街角の易者の、壮絶なる人生

 

本書の核心を理解するためには、まず三輪祐嗣という一人の男の人生を知らねばならない。戦後の大阪・新地で、病により家に閉じこもり、独学で運命学を読み漁った青年時代。やむなく街角に立った初日、絡んできた二人の若者の未来を驚くほど正確に言い当て、逆に畏敬の念を抱かせたという逸話は、彼の鑑定がいかに「本物」であったかを物語る。

その後、京都・本能寺の門前に場所を移し、風の日も嵐の日も、半世紀以上にわたり人々の相談に乗り続けた。彼は、その地で名物占い師となり、親子三代にわたって通う固定客を持つという、稀有な存在となったのである。


 

本書が「究極」である理由 – 「運勢遺伝の法則」

 

三輪祐嗣が、他の誰にも到達し得なかった境地。それこそが、本書が明かす**「父系・母系の運勢に濃淡の遺伝律がある」**という、驚くべき発見である。

三代にわたる顧客の運命を、まるで「医者のカルテ」のように記録し続けた彼だからこそ、気づくことができた。私たちの手のひらに刻まれた運命線は、決して個人の一代だけのものではなく、父から、母から受け継いだ運勢の流れが、濃淡となって現れているというのだ。本書は、この「運命の遺伝」という、手相の深奥に眠る法則を解き明かす、おそらく日本で唯一の書物である。


 

伝説の占い師が遺した、貴重なメモ

 

著者の安達駿氏は、幼少期に親に連れられて三輪氏の鑑定を受けていたという縁を持つ。三輪氏の死後、その妻から「みーんな持って行ってください」と、彼の生涯の研究が詰まった**「貴重なメモ帳一束」**を託される。

元高校教員であり、仏教にも造詣の深い著者が、その学識と洞察力をもって、三輪氏が遺した生々しい実践の記録を読み解き、体系化したのが本書である。そこには、一人の天才が、その人生の全てをかけて掴み取った、運命の真実が凝縮されている。

『究極の手相占い』は、単に線の吉凶を知るための本ではない。それは、自分の手のひらに流れる、父母から受け継いだ壮大な運命の河を識り、自らの人生をより深く理解するための、他に類を見ない「究極」の一冊なのである。

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