『運気アップ手相術』浅野八郎

浅野八郎『運気アップ手相術』

「手を貸す」「手のうちを見せる」——私たちが日常的に使う言葉にも、その人の本質や運命が「手」に現れるという、古来からの知恵が息づいています。心理学研究家として300冊以上の著作を持つ大家・浅野八郎氏による『運気アップ手相術』は、この神秘的な手のひらの言葉を読み解くだけでなく、自らの手で運命を好転させるための、具体的かつ実践的な方法を授けてくれる一冊です。

3000年の歴史が証明する、手のひらの神秘

本書は、単なる占いのテクニック集ではありません。著者はまず、手相術が古代インドに生まれ、ナポレオンの専属占い師にまで用いられ、そして近代西洋手相術へと発展してきた3000年以上の壮大な歴史を紐解きます。その歴史的背景と、著者自身の長年の研究に裏打ちされた本書の診断法は、恋や結婚、仕事、金運といった現代人の具体的な悩みに、的確な答えとヒントを与えてくれます。

悪い手相は「宿命」ではない、「警告」である

本書が放つ、最も重要で希望に満ちたメッセージ。それは、**「手相は変わるもの」**という揺るぎない事実です。

著者は、たとえ悪い手相が出ていたとしても、それは変えられない「宿命」ではないと断言します。それは、**「このまま何もしないでいると、起こってしまうかもしれない未来」**を暗示する、あなたの手からの親切な「警告サイン」なのです。

この視点に立てば、手相占いは未来に怯えるためのものではなく、危険を未然に察知し、より良い未来を主体的に選択していくための、ポジティブなツールへと生まれ変わります。

「今」を変えれば、「未来」は変わる

本書の真価は、その警告を受け取った後の、具体的な行動指針まで示している点にあります。「よい手相に変える方法」や「運気をアップさせる方法」が数多く紹介されており、読者は自分の気持ちや状況、つまり「今」を変えることで、未来をいくらでも良い方向へと変えていくことができるのです。

心理学研究家として、人間の可能性を探求し続けてきた著者だからこそ書けた、科学的知見と東洋の叡智が融合した本書は、単なる占い本を超えた、自己啓発の書とも言えるでしょう。

赤ん坊の頃からあなたと共にあり、あなたの人生のすべてを見てきた、手のひらのしわ。この最も身近なパートナーと上手につきあい、よりハッピーな未来を引き寄せたいと願うすべての人へ。本書は、そのための最も信頼できるガイドブックとなるに違いありません。