浅野八郎『手相診断』
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「手は外端に出たもう一つの頭脳である」とは、哲学者カントの言葉。かつては迷信や疑似科学として片付けられがちだった手相術が今、心理学や大脳生理学の発展と共に、その真価を問い直されている。心理学者・浅野八郎氏による『手相診断』は、この革命的な視点に立ち、36年、1万人以上の追跡調査の末に、手相を「21世紀の新しい人間学」として再構築しようと試みた、壮大なる探求の書である。
単なる占いではない、科学としての手相研究
本書は、古来の経験則をただなぞるだけの占い本とは、その出発点からして一線を画す。著者は、心理学者シャロット・ウォルフや医学者セオドール・ベリー博士といった、欧米の専門家たちによる科学的な手相研究の潮流を紹介。人間の心理や心身の発達が、いかに手のひらに深く結びついているかを、客観的な事実をもって明らかにする。
「神は人間の手に印を刻んだ。自分の天分を知らしめんがためなり」という旧約聖書の一節は、もはや神秘的な比喩ではない。著者は、因果関係が未解明というだけで、手に現れる様々な事実を切り捨てることはできないと主張する。手相とは、私たちの天分、すなわち生まれ持った才能や気質を、科学的に分析するための、極めて有効なツールなのだ。
36年、1万人以上の追跡調査が示す「真実」
本書の圧倒的な説得力は、著者自身が36年もの歳月をかけて行ってきた、1万人以上に及ぶ壮大な追跡調査に裏打ちされている。単に手相を見るだけでなく、その人の生活歴や心理テストの結果と比較検討し続けるという、地道で科学的なアプローチ。その中から、著者自身が見つけ出した独自の判断法も、本書には惜しみなく紹介されている。
これは、机上の空論ではない。膨大なデータと臨床経験に裏打ちされた、生きた人間学の記録である。
人生をより素晴らしくするための「自己強化」の書
では、手相を知ることは、何のためになるのか。本書が目指すのは、未来を当てて一喜一憂することではない。それは、人生をより素晴らしいものにするための**「自己強化」であり、よくわからない自分、よく知っているようで知らない他人を、もう一度「手」を通して再発見する「自分探し」「他人探し」**の旅なのだ。
手相は、自分を知り、他人を知り、よりよい人間関係を築いていくための、実践的なツールである。『手相診断』は、そのための最も信頼できるガイドブックとして、あなたの本棚に不可欠な一冊となるだろう。これは、あなたの手のひらから始まる、深遠なる「人間学」への招待状なのである。
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