『手相トラの巻』門脇尚平

門脇尚平『手相トラの巻』

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一人の手相家の論文が医学専門誌に掲載され、新聞連載が政財界の注目を集め、週刊誌の記事が世界中の読者を熱狂させる——。防衛庁事務官から転身し、30年以上にわたり手相の研究に人生を捧げてきた大家・門脇尚平氏。その13冊目となる本書『手相トラの巻』は、まさにその名にふさわしく、初心者から熟練者まで、すべての探求者のための「奥義の書」である。


 

豊富な実例で「応用力」を鍛える、実践第一の書

 

本書が既刊の著作と一線を画すのは、その圧倒的な「実例」の豊富さにある。著者は、手相の原理を机上の空論として学ぶのではなく、生きた実例を通して、あらゆる角度から応用する力を養うことこそが重要だと説く。

20年前に比べて手相への偏見が消え、加速度的に増え続ける読者の要望に応えるべく、本書は構成されている。それは、単に線の意味を暗記する作業ではない。具体的なケーススタディを通して、なぜそう読めるのか、どう解釈を組み立てるのかという、鑑定の現場で最も必要とされる「応用力」を徹底的に鍛え上げるための、実践的なトレーニングなのである。


 

ニュートンのように、手のひらの真理を見抜け

 

「一個のりんごが落ちても、心があるのと、心がないのとではその結果には雲泥の差を生ずる」。著者は、読者に対して、ウールスソープの果樹園で万有引力の法則を発見したニュートンのような「具眼の士であってほしい」と切に願う。

本書は、そのための「心の目」を養う一冊だ。平易な言葉で書かれてはいるが、その行間には、30年に及ぶ研究の苦心と体験が濃縮されている。それは、単なる吉凶判断の技術を超え、手相を通して人間を温かく見つめる「ヒューマニズムに溢れた労作」なのだ。初心者にとっては最高の入門書となり、熟練者にとっては新たな発見をもたらす好個の手引きとなるだろう。


 

すべての探求者が座右に置くべき「トラの巻」

 

『手相トラの巻』は、著者自身の言葉を借りれば、兄貴分である既刊書の陰に生まれた「弟分」である。しかし、そこに込められた情熱と知識の密度は、間違いなくこれまでの集大成と言える。

手相という深遠な世界を、より深く、より実践的に学びたいと願うすべての人へ。この一冊は、あなたの手のひらを見る目を永遠に変え、その奥に潜む人間という存在の真理を見抜くための、最高の「トラの巻」となるに違いない。

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