『ズバリ！異常がわかる 手相による病気診断法』樫尾太郎

樫尾太郎『ズバリ！異常がわかる 手相による病気診断法』

「病気は自然が治し、医者はその報酬を得る」とは医祖ヒポクラテスの言葉。しかし現代、私たちはあまりにも安易に薬に頼りすぎてはいないだろうか——。この根源的な問いを、東京大学医学部を卒業した医師・樫尾太郎氏が自ら投げかけるのが、本書『手相による病気診断法』である。これは単なる手相占いではない。薬の過信に警鐘を鳴らし、自らの手で健康を守る「自衛術」を提唱する、一人の内科医による信念の書である。

火事が起きてから消防車を呼ぶな

著者は、効かない薬や副作用の強い薬が蔓延する現代医療の現状を憂い、「自分を守る者は自分である」と力強く宣言する。本書の使命は、火事が起きてから消防車を呼ぶのではなく、火事を未然に防ぐことにある。そのための最も手近で有効なツールが、私たちの「手」なのだ。

医学博士である著者が、その専門知識をもって、手のひらに現れる健康状態のサインを読み解く方法を解説する。これは、占いというよりも、むしろ家庭で手軽にできる「予防医学」の実践である。自分だけでなく、家族や同僚の手を見ることで、深刻な事態に陥る前に異常の兆候を察知し、対策を講じることが可能になる。

「薬餌」の知恵に立ち返る

本書の根底に流れるのは、「食物が薬だ」という古来の「薬餌（やくじ）」の思想である。やみくもに薬に頼るのではなく、手相から自分の体質や不調のサインを読み取り、生活習慣や食事を見直すこと。それこそが、健康という幸福の鍵を握るための王道なのだ。

医師が著した、家庭でできる健康バイブル

『手相による病気診断法』は、医学の専門家が、その知識と経験を基に、手相という伝統的な知恵を融合させた、他に類を見ない一冊だ。

• 薬の副作用が気になる方
• 自分や家族の健康を、日常的にチェックしたいと願う方
• 病気を「治す」だけでなく、「防ぐ」意識を持ちたい方

上記に当てはまるすべての人にとって、本書は信頼できるガイドとなるだろう。医師の視点から書かれた本書は、あなたの手のひらを見る目を一変させ、自らの手で健康な未来を築くための、確かな知識と勇気を与えてくれるに違いない。