『手相術の教科書』フランク・C・クリフォード　鏡リュウジ監訳

フランク・C・クリフォード『手相術の教科書』

「あなたの手は、宿命を告げるものではありません。あなたの人生に関わっていくよう、誘っているのです」。ロンドン・スクール・オブ・アストロロジーで教鞭をとる世界的な占術家、フランク・C・クリフォード氏による『手相術の教科書』は、この解放的で力強いメッセージに貫かれた、現代のための新しい手相術（ハンド・アナリシス）の決定版である。鏡リュウジ氏の監訳という信頼の証と共に、本書は私たちを、恐れや不安から解放し、自己理解と自己実現へと導いてくれる。

ある痛ましい予言から生まれた、人を勇気づける技術

著者がこの道に進む原点には、17歳の時に手相家から受けた「将来、愛するパートナーが死ぬだろう」という痛ましい予言があった。幸いにもその予言は当たらなかったが、この経験は彼に決定的な教訓を与える。「コンサルテーションは、人を怖がらせるものではなく、鼓舞し、気づきを与えるべきものである」と。

本書の全編を流れる温かな眼差しは、この哲学から生まれている。読者を不安にさせるような断定的な吉凶判断を避け、手のひらに現れた一つひとつのサインを、その人の個性や内なる欲求を理解するための「ロードマップ」として読み解いていく。セッションが終わった時、読者がこれまで以上に自分を理解し、励まされたと感じられること。それこそが、本書が目指すゴールなのだ。

「私たちが変われば、手も変わる」という、解放のメッセージ

本書が提示する最も重要で、そして心を解き放ってくれる真実。それは、「私たちが変化すれば、手も変化する」という事実である。手のひらの線は、石に刻まれた不変の宿命ではない。私たちの選択、行動、そして心の成長を反映して、常に変化し続けるダイナミックなものなのだ。

この視点に立てば、手相術は未来を一方的に「予想」するものではなく、自分自身の内なる望みと目的に合わせてより良い選択をしていくための、対話のツールとなる。人生を展開させていくのは、占い師の言葉ではなく、自分自身。その当たり前で、しかし忘れがちな真実を、本書は手のひらを通して力強く思い出させてくれる。

30年の経験が凝縮された、信頼の教科書

本書は、著者の30年にわたる鑑定と教育の経験から生み出された、現代的な「ハンド・アナリシス」の集大成である。一つのサインだけで最終結果を判断する危険を戒め、手に現れた様々な特徴を総合的に解釈する方法を丁寧に教えてくれる。

友人をつくり、人々をより深く知るための素晴らしいツールとして、また、自分自身の人生という旅路を最高の形で歩むための羅針盤として、これほど信頼でき、勇気づけられる「教科書」はないだろう。

手の言葉を学び、あなたが本当に望んでいることを見つけ、あなた自身であることによって未来を創り出していく。そのための第一歩として、本書は最良のガイドとなるに違いない。