『すごい手相学』寺島みさお

寺島みさお『すごい手相学』

「手相の本を読んでも、結局よくわからない」。無数の線と名称の暗記に挫折し、そう感じた経験はありませんか？そんな手相学習の“常識”に、研究家・寺島みさお氏が「法則を理解すれば、丸暗記は不要です」と、鮮やかな解決策を提示する一冊、それが『すごい手相学』です。本書は、手相を単なる占いから、脳と心に直結した「自己分析の科学」へと昇華させる、画期的なパラダイムシフトを提案します。

手は「外部の脳」。だから、線だけ見ても片手落ち

本書の根幹をなすのは、哲学者カントの言葉に代表される「手は第二の脳である」という、科学的な視点です。著者は、指を動かせば脳が活性化するという事実を足掛かりに、手のひらに現れるすべての現象は、私たちの「脳の働き」、すなわち「心や意識」の反映であると断言します。

この視点に立つと、従来の手相術がいかに「片手落ち」であったかがわかります。重要なのは、複雑な線の意味を一つひとつ記憶することではありません。手相の線はもちろん、指の形、手のひらの肉付きといった**「手全体」を、脳（心）が発信する情報として総合的に読み解く「法則」**を理解することこそが、真の自己理解への鍵なのです。

あなたの手は、客観的な「あなた」を見せてくれる

著者は、海外の文献研究と独自の臨床データを基に、手相学を深層心理を読み解くカウンセリング技法「HASTA®」として確立しました。本書には、そのエッセンスが凝縮されています。

手のひらは、あなた自身を客観的に映し出す、最も身近で正確な情報源です。

• あなたが生まれ持った可能性と、活かすべき資質
• あなたの得意なこと、そして苦手なこと
• 今のあなたの心のあり様と、ストレスの状態

これらの情報を「手に取るように」知ることで、私たちは自分らしく人生を歩むためのヒントを得て、ストレスのない毎日を過ごすための道しるべとすることができるのです。

占いに挫折した、すべての人へ

『すごい手相学』は、手相の暗記に疲れ果てた人、そして、より論理的で納得感のある自己分析を求めるすべての人にとって、まさに目から鱗の一冊となるでしょう。

不登校や発達障がいなどの相談にも積極的に取り組む著者の温かい視点は、単なる分析に留まらず、読者が自分自身を深く理解し、受け入れるための手助けをしてくれます。これは、占いの本ではありません。あなたの手のひらから「本当の自分」を発見し、活用していくための、新しい時代の教科書なのです。