『手相で見える子どもの未来』高山東明

高山東明『手相で見える子どもの未来』

「子どもの未来がわかってしまっては、人生がつまらなくならないか？」——この、親なら誰もが一度は抱くであろう不安に、東明手相の創始者・高山東明氏は、人生を「マラソン」にたとえて鮮やかに応えます。ゴールを知っているからこそ、ランナーは困難な道のりを走り抜く力と喜びを得るのだ、と。本書『手相で見える子どもの未来』は、わが子の人生のゴールを「手のひら」から読み解き、そこへ至る道を応援するための、画期的な子育て指南書です。

手相は究極の「自分学」である

「ビッグになりたい」「お金持ちになりたい」。現代の子どもたちが抱く夢は、しばしば漠然としています。それは、彼らが自分自身の「長所」や「自分らしさ」を知らないからだと著者は指摘します。哲学や思想が「いかに生きるべきか」を説く一方で、「自分を知るための学問」は存在しない——。その空白を埋める、最も早くて確かな手段こそが「手相」であり、著者はそれを**「自分学」**と名付けました。

人生経験の少ない子どもに代わり、親がその子の手のひらを読んであげる。そこに雄弁に語られている「その子らしさ」を発見し、子育てに活かすこと。それこそが、子どもが輝ける未来を歩むための、最も確実な第一歩なのです。

「短所は忘れていい」– 長所を徹底的に伸ばす子育て

本書が提唱する子育て法の核心は、驚くほどシンプルで、しかし力強いものです。

それは、「長所を徹底的に伸ばすこと」。

手相からは、子どもの長所と短所の両方がわかります。しかし著者は、短所を克服させようとするよりも、長所をこそ見つけて、褒めて、伸ばしてあげることの重要性を説きます。「短所は忘れてしまってもいいぐらいだ」とさえ断言するのです。なぜなら、長所を伸ばすことそのものが、自然と短所をカバーすることに繋がるからです。

親に自分の素晴らしい才能を見出され、褒められた子どもは、そこに自らの生きる道を発見し、才能をフル活用して大成功をおさめる。本書は、そのための具体的な方法を、それぞれの手相が示す個性に合わせ、丁寧に提案していきます。

わが子の未来を応援する、すべての親へ

『手相で見える子どもの未来』は、子どもの運命を決めつけるための予言の書ではありません。むしろ、親が子どもの一番の理解者となり、その子だけの輝かしい未来を一緒に応援していくための、愛に満ちたマニュアルです。

真っ暗な道を手探りで歩かせるのではなく、進むべき方向を照らす灯りを、親がそっと示してあげる。21世紀を生きる子どもと親が、イキイキと幸せな人生を送るための知恵が、この一冊には詰まっています。