『運を呼ぶ手のつくり方』原園博志

原園博志『運を呼ぶ手のつくり方』

「もっとこうなりたい」「自分の運をよくしたい」。そう願うあなたに、「その願い、かないますよ」と力強く語りかける一冊がある。整体師であり、25万人以上の手を見てきた鑑定家・原園博-志氏による『運を呼ぶ手のつくり方』は、単なる手相の解説書ではない。これは、自らの手で運命を創り変えるための、具体的で、誰にでも実践できる「行動の書」である。

占いは、見てからが本番だ

著者は55年以上にわたり、神戸の珈琲店マスターとして客の手を鑑定し続けるなかで、独自の「手もみ」という運命好転法を編み出した。彼によれば、手相とはただ眺めて未来を判断し、一喜一憂するものではない。「鑑定してからが本番」なのだ。

良い相が出ていれば、それをさらに伸ばす方法を。悪い相が出ていれば、それを回避・改善する方法を。その答えこそが、手のひらを物理的にマッサージし、理想の線へと育てていく「手もみ」である。本書は、運命を passively 受け入れるのではなく、actively 創り変えていくという、まさに革命的な視点を提供してくれる。

「よい手」を創る、整体的アプローチ

では、「運を呼ぶ手」とはどんな手だろうか。著者が示すのは、線が良いだけでなく、「柔らかくて、あたたかくて、潤いと厚みがある手」だ。長年、身体に触れてきた整体師ならではの視点から、手のひらや指の凝りをほぐし、血行を促進することが、運気の流れを良くする基本だと説く。

本書では、「金運」「恋愛運」「仕事運」といった願い事別に、どの部分を、どのようにマッサージすれば良いのかが、豊富な写真と共に具体的に示されている。これは、手のツボを刺激して内側から体を元気にする効果と、理想の線を物理的に刻んでいく効果を兼ね備えた、極めて合理的なメソッドだ。著者は魔法使いではない、と断言する。人生を変えるのは読者自身の「行動」であり、「手もみ」はその最も簡単で、しかし最も強力な一歩なのだ。

待つ人生から、創る人生へ

「手をもんだくらいで、人生が変わるものか」。そう思うかもしれない。しかし著者は、手もみによって手相が変わり、人生が好転した人々を数え切れないほど見てきたという。そのうそのような本当の話は、本書が持つ何よりもの説得力だ。

もしあなたが現状に満足せず、より良い未来を本気で望むなら、まずは自分の手のひらを見て、触れてみてほしい。そこには、幸福を引き寄せるためのヒントが隠されている。『運を呼ぶ手のつ-くり方』は、そのヒントを見つけ、磨き上げていくための最高の相棒となるだろう。これは占い本ではない。あなたの願いを、あなた自身の手で現実にするための、希望の実践書である。