【手相図鑑】プルタルコ・エリアス・カリェス/木星丘のスター

「もし、あなたの手のひらに『星〔スター〕』が刻まれていたら…?」

それは類まれなる幸運の知らせかもしれません。しかし、その強すぎる力は、時に持ち主の運命を狂わせることもあるのです。

今回は、人差し指の下に幸運の星を持ち、メキシコの頂点に君臨しながら、最後は全てを失った男、プルタルコ・エリアス・カリェスの物語を、手相の観点から紐解いていきます。

メキシコの「最高指導者」プルタルコ・エリアス・カリェスとは?

 

プルタルコ・エリアス・カリェス(1877-1945)は、メキシコ革命を戦い抜き、1924年に大統領の座に就いた人物です。

しかし、彼の本当の力は、大統領を退任した後に発揮されます。彼は後継の大統領を陰で操ることで権力を握り続け、人々から**「Jefe Máximo(最高指導者)」**と呼ばれ恐れられました。彼の言葉一つで国が動く、まさに「影の独裁者」だったのです。

まずは、彼がどのような人生を歩んだのか、簡単な年表で見ていきましょう。

 

【簡単年表】カリェスが歩んだ栄光と失墜の道

 

  • 1877年:ソノラ州グアイマスで生まれる。
  • 1894年頃:小学校の教師となる。
  • 1913年:メキシコ革命に参加。軍人として頭角を現す。
  • 1924年:メキシコ大統領に就任。
  • 1926年:反カトリック的な「カリェス法」を制定。これが引き金となり、激しい内戦「クリステーロ戦争」が勃発。
  • 1928年:大統領を退任。しかし、ここから「最高指導者」として後継大統領を操る**「マキシマート」**と呼ばれる時代が始まる。
  • 1934年:自身の腹心であるラサロ・カルデナスを大統領に指名。
  • 1936年:カルデナスとの権力闘争に敗れ、アメリカへ国外追放される。
  • 1941年:メキシコへの帰国を許されるも、政治的影響力は失っていた。
  • 1945年:メキシコシティにて死去(享年68歳)。

このように、彼の人生はまさに権力闘争と栄枯盛衰そのものでした。では、その運命を後押ししたとされる手相について見ていきましょう。

 

カリェスの手に刻まれた「スター(星紋)」とは?

 

そんな強大な権力を手にしたカリェスの手には、ある特別な手相があったと言われています。それが、**人差し指の付け根の下に現れる「スター(星紋)」**です。

スターが現れる場所と意味

 

  • 場所:人差し指の付け根のふくらんだ部分。手相では**「木星丘(もくせいきゅう)」**と呼ばれます。
  • 意味:木星丘は**「権力」「野心」「支配」「名声」「向上心」**などを司る場所です。この場所にスターが現れることは、これらの力が最大限に増幅されることを示す、非常にパワフルな吉相とされています。
  • 線の見方:3本以上の短い線が一点で交わり、星のように見えるものを指します。くっきりと濃く現れているほど、その意味合いが強まります。

このスターは、別名**「ソロモンの星」**とも呼ばれ、持つ者にカリスマ性と成功をもたらすと言われています。カリェスが教師から身を起こし、国の頂点にまで上り詰めたのは、このスターがもたらした強力な運勢があったからかもしれません。

 

左右どちらの手で見る?

 

一般的に、左手は「先天的な運命」、右手は「後天的な努力で作り上げた運命」を表すと言われます。カリェスがどちらの手に持っていたかまでは定かではありませんが、彼が自らの野心と行動で権力を掴み取ったことを考えると、右手にくっきりと現れていたとしても不思議ではありません。

 

「スター」が示す仕事運・金運・恋愛運

 

木星丘のスターは、その人の運命全体に強い影響を与えます。

  • 仕事運:リーダーシップを発揮し、組織のトップに立つ運命を示します。経営者、政治家、指導者など、人を率いる立場で大成功を収めるでしょう。カリェスの生涯は、まさにこの手相が示す通りのものでした。
  • 金運:名声や社会的成功に伴い、莫大な富を築くことができます。人の上に立つことで、お金が自然と集まってくる強運を持っています。
  • 恋愛・結婚運:カリスマ性で多くの人を惹きつけますが、支配欲が強く出すぎると、パートナーを自分の思い通りにしようとして関係が破綻することもあります。権力と家庭のバランスが重要になります。
  • 対人運:多くの支持者や部下に恵まれますが、敵も作りやすい傾向があります。傲慢な態度は、やがて足元をすくわれる原因になりかねません。

 

栄光の星、そして破滅への引き金

 

スターの力でメキシコの支配者となったカリェス。しかし、その物語はハッピーエンドでは終わりませんでした。

彼は自らが大統領に指名した腹心、ラサロ・カルデナスによって、その権力の座から引きずり下ろされるのです。自分の力を過信し、傲慢になったカリェスは、かつての部下の裏切りに気づけませんでした。

1936年、彼はパジャマ姿のまま自宅で拘束され、アメリカへと国外追放されてしまいます。かつての独裁者の、あまりにもあっけない幕切れでした。

木星丘のスターがもたらした強すぎる野心と権力欲が、最終的に彼自身を破滅へと導いたのかもしれません。幸運の星も、使い方を誤れば、破滅の引き金になりうるという、恐ろしい教訓です。

 

この手相がない人へ

 

「自分にはスターなんてない…」とがっかりした方もご安心ください。

スターのような珍しい手相がなくても、人は成功を掴むことができます。手相はあくまで「可能性」を示すもの。最も大切なのは、日々の努力と行動です。

木星丘がふっくらと豊かに発達している人は、それだけでリーダーの素質や成功への意欲を秘めています。目標に向かって努力を続けることで、あなたの運命はいくらでも良い方向へ切り開いていけるのです。

 

まとめ

 

メキシコの独裁者、プルタルコ・エリアス・カリェスの生涯は、手相の持つ力の光と影を私たちに教えてくれます。

人差し指の下のスターは、彼に比類なき権力と名声をもたらしましたが、その力に溺れた時、彼は全てを失いました。

ぜひ一度、ご自身のてのひらを眺めてみてください。そこに刻まれた線は、あなたにどんな物語を語りかけてくれるでしょうか?手相を知ることは、自分自身をより深く理解する面白いきっかけになるかもしれません。

-手相図鑑