この記事ではウェイト=スミス版タロット「女教皇」の絵柄についての考察を紹介しています。手に持っている書物は「TORA」なのか?横に並んだ柱は何を意味するのか?その答えとなるヒントをお伝えします。
①黒と白の柱
エルサレム神殿の柱とされています。それぞれBOAZ(ボアズ)とJACHIN(ヤキン)の頭文字が描かれていています。ヤキンは「彼は設立する」、ボアズは「力を持って」という意味がありました。そのことから、日本の柱は力や権力と言った強さや威厳性を象徴しているとも言えます。
また白と黒は光と闇、男と女、静と動など、この世界が相反する2つのもので成り立っていることを表現しています。
②女教皇が持っている巻物
女教皇が手に持っている書物は「TORA(トーラー)」、旧約聖書の五つの書である律法であり、それが半分衣服に隠されているのは、女教皇が教えを簡単には明かさないことを示しています。つまり、表には出ていない、聡明な知識や知恵を持つ人物であることを象徴しています。
③足元の三日月
月の満ち欠けがあるように不安定さや女性の神秘性を表しています。女性性や感受性、女教皇が神秘的な存在であることを表します。
④背後の幕
ザクロ=女性の象徴。シュロ=男性の象徴。歴史上、カトリック教会で女教皇は存在していません。このカードは、架空の人物である女教皇ヨハンナをモデルにしていると言われます。ヨハンナは、男装して9世紀にローマ教皇に在位した女性であり、非常に深い学識を備え、周りには対等な学識を持つ者がいなかったとされています。背後の幕は、そんな女性でもあり男性でもあることが象徴されているのではないかと考えられます。
まとめ
このカードは女性性や男性性と言った相反する二つの性質を併せ持っていることがわかります。神秘的な感受性があり、自分の直感や知恵を信じて、行動する冒険心をも表しています。